2018年1月20日土曜日

『お世継のつくりかた』鈴木理生

東京の日本橋あたりの老舗の大店の御隠居さん多数を集めた企画の座談会で、元の店主だった彼ら全員が婿養子だったことに、司会をつとめた著者は驚いたという話が前書にある。
多いとは聞いていたが全員ということだった。
息子である若旦那は裕福に育っているので、大店の経営は任せられない。時代小説などでは、それがわかっていないものは多いのではなかろうか。

この本だったか記憶が定かでないが、長屋に嫁が来るのは稀なことで、女房の貸し借りも行われ、子は自分の子かもしれないと思うと長屋中で親切にするものだといい、長屋暮らしの人情味は当然となる。
それなら地方でも、間引きが多かったので地方人の信仰心が厚くなるのは当然かもしれない。
鈴木理生『お世継のつくりかた』副題:大奥から長屋まで 江戸の性と統治システム。ちくま学芸文庫 2010