2018年1月10日水曜日

『折口信夫伝』 岡野弘彦

『折口信夫伝―その思想と学問』岡野弘彦著(中央公論新社 2000.9)
あまり個人の評伝を読む趣味などはないが、例外的に読んだ。
お陸地の私生活については、養子になった人がいて、その関係とは、折口は父でもあり、母でもありということなのだろう。

養子の戦死ということもあったが、彼ほど先の大戦の敗戦を重く受けとめた人もなかったという話。日本の敗戦を日本の神の死にも等しいものとして、現実に直面しなければならないということだったらしい。
戦争中は、軍部にも物申す人であり、戦死者が翌日には靖国神社の神となるのはおかしい、49日の法要そのほか、神となるにはそれなりの手順がいる。日本人の信仰を破壊しようという行為にはたいへん厳しい人だったのだろう。

日本の近代史で最も大きな出来事というか、改革というか、大きな改まりに2つあり、昭和20年と明治元年の2つの出来事である。
今年はちょうど戊辰戦争から150周年である。戊辰戦争が始まったのは、1968年の(旧暦)1月3日、グレゴリオ暦に換算すると、1月27日。幕府方は敗戦し、明治新政府の樹立となった。
徳川の世の瓦解に直面し、それを最も重く受けとめた人は、誰なのだろう。ちなみに我が家の当主は、それを機に倅に家督を譲ったが、25歳の倅が村の名主となったのは確かに早かった。未来への言祝ぎらしきものは書き残したが、情緒的というか、良くいえば文学的。さて「最も重く受けとめた日本人」とは、政治家ではないことは見通しはつくのだが・・・。