2018年1月26日金曜日

『農地を守るとはどういうことか - 家族農業と農地制度 その過去・現在・未来』

農地は、どういう人がどのように所有すべきなのか。
戦前の大地主については、世間では誤解している人も多いようだが、問題なのは、田畑のある村に住まず、農業もせず関わらず、都市に住んで農地だけを所有して経済効率しか考えなかった者たちなのである。在地の小地主たちは、村の役などを引き受け、農地が外部の者に渡ることを共同で阻止してきた。この本では、東北地方のそのような例が書かれていたが、全国的に普通のことだったのではないか。江戸時代に、土地の賃貸や売買には村の名主の同意を必要としたのは、土地が渡る相手についての吟味が行われるようにである。
この本は良い本だが、江戸時代についての見方を示していないので、そこが弱い。
戦後の諸問題については、略。
『農地を守るとはどういうことか』楜澤能生、農山漁村文化協会、2016

0 件のコメント:

コメントを投稿