2018年1月12日金曜日

『文明としての江戸システム』 (日本の歴史) 鬼頭 宏

『文明としての江戸システム』 (日本の歴史)  講談社 2002
鬼頭宏氏は人口学が専門とのこと。江戸時代については近世史専門の人には良い本がないので、こういう人の本は期待が持てる。この本は「日本の歴史」シリーズの中で、江戸時代の社会構造に着目したもので、最近の研究成果をよくまとめた読みごたえのあるものだった。

1つだけ個人見解を述べる。この本で、石高の小さい農家の娘が都市部に奉公に出るのは家計を助けるためかという部分があったが、親子の情緒的な話になってしまわないか。石高が少ない家は田畑が少なく農業の仕事が少ないのであって、仕事がないから奉公に出るだけの話。田畑に必要な労働力は決まっていて、多くても少なくてもいけない。労働力の必要量が小さければ、家族は外に出るか、晩婚で世代の年齢差を広げ、家の働き手を少なく維持する必要がある。