2017年11月2日木曜日

つげ義春「つげ義春傑作選」

嶋中書店。2冊で1100ページ。安価だったので傷みを気にせず何度も読める。
これまでもさまざまな版があり、この50年で、どの短編も20回以上は読んだと思う。
あと何度読めるだろうか。
つげ作品の中に描かれる貧乏暮らしとは何なのかと思う。
つげは昭和25年に小学校を終え中学へは行かずに、少年工として職を転々とすることになる。昭和21~22年のころは、まだ日本全体が貧しい時代だったが、25年ともなれば朝鮮特需のころである。時代に取り残された家族があった。次の時代にも取り残される者たちがあり、取り残された者たちのほうが、失われたもののことをよく知っていることになるのだろう。

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